MATERIALS and PROCESSING
部門所属分科会・研究会活動報告
2026年6月
「高エネルギービーム加工・改質技術研究会」(2025年~)
主査:青野 祐子(東京科学大学)
本研究会は,レーザやイオンビームなどの高エネルギービームを用いた材料加工・表面改質技術およびその表面応用技術に関わる研究者・技術者の人的交流を促進し,研究の推進と将来的な共同研究の発展・新展開に寄与することを目的として,2025年10月1日に新たに設置されました.レーザやイオンビーム加工を専門とする研究者・技術者はもちろんのこと,これらの技術を今後の研究・開発に活用してみたい方,あるいは新たに取り組んでみたいとお考えの方も広く参加を歓迎しています.異なる専門分野をもつ参加者同士のネットワーキングを大切にし,そこから共同研究へと発展する機会を生み出すことを本研究会の重要な役割と位置づけています.高エネルギービームプロセスをコアとしながらも,材料科学・表面工学・精密加工など幅広い背景をもつ方々が交流できる場を目指しています.
設置初年度となる2025年度は,レーザ協会のご協賛をいただき,機械材料・材料加工部門のM&Pサロンとの合同企画として,2025年12月8日に東京科学大学大岡山キャンパス(ハイブリッド開催)にて第1回の講演会を行いました.
本講演会では,最初に本研究会の目的や今後の活動方針につきまして紹介いたしました.その後,中央大学の庄司一郎教授(元レーザ協会会長)をお招きし,「レーザの基礎と高性能化へ向けた取り組み」というタイトルでレーザ光の基礎から最先端の高性能レーザ技術まで幅広くご紹介いただきました.講演前半では,レーザ光が発生する原理や基本的な特性,さらに材料加工に用いられる代表的なレーザの種類とその特徴についてわかりやすく解説いただき,参加者がレーザ技術の全体像を俯瞰できる内容となりました.後半では,異種材料を組み合わせた複合構造による高性能化という最近の注目トピックを取り上げ,常温接合技術を駆使して作製した小型高出力レーザや,紫外光・中赤外光を発生させる波長変換デバイスなど,庄司先生のグループの最前線の研究成果をご紹介いただきました.
当日はオンライン参加を含め30名を超える方々にご参加いただき,盛況のうちに終了しました.講演会後には講師を囲んだ交流会も開催し,参加者同士の活発な意見交換や情報共有が行われ,研究会の趣旨であるネットワーキングの場としても充実した時間となりました.2026年度は,2026年9月23日〜25日に大阪大学で開催される第33回機械材料・材料加工技術講演会(M&P2026)に合わせ,研究会を実施する予定です.詳細は決まり次第ご案内いたします.本研究会は引き続き会員を募集しております.ご興味をお持ちの方,入会をご希望の方は,主査の青野祐子(東京科学大学,aono.y.4f4e[@m.isct.ac.jp])までお気軽にお問い合わせください.レーザ・ビーム加工の専門家から,これから挑戦してみたいという方まで,皆さまのご参加を心よりお待ちしております.
「ナノカーボン複合材料の高性能化に関する研究会」(2018年~)
主査:川田 宏之(早稲田大学)
本研究会は,ナノカーボン材料の一つであるカーボンナノチューブの高度利用技術に焦点を当てた産官学の参加者で構成されている研究会です.本研究会では,関心あるテーマの一つとして,紡績可能なマルチウォールカーボンナノチューブ(CNT)から,ポスト炭素繊維の代替品の開発があります.また,他のナノカーボン材料の利用可能な技術の探査も研究対象としていて,幅広く活動しております.研究会では,現在20名強の会員で活動しています.
2023年度もコアメンバーとして,静岡大の井上・島村先生のグループ,岡山大の林先生,東北大の山本先生のグループがそれぞれ活動しております.残念ながら全員が一同に会する研究会は開催できませんでしたが,それぞれのグループが,昨年度の成果を上回る結果を挙げていて,今後の成果が期待できます.一方で,全体の方向性として,新たに溶融紡糸法によるCNT糸の成形に着手し,基盤法とは異なる紡糸法に挑戦しています.CNT の溶媒として超酸であるCSA(クロロスルフォン酸)を用いる手法が最終目標ですが,この紡績法は高純度なCNTを供試材として用いることが可能,またCNTだけに限定されないナノ材料の成形が可能となる点が魅力です.成形に関しては,紡糸の専門である信州大の後藤先生の協力を得ております.
本研究会での最終的な数値目標は高強度炭素繊維の強度(東レT700相当)と同等となっています なお,研究会へのご参加等のお問い合わせは,主査の川田宏之(kawada@waseda.jp)までご連絡下さい.
「高分子基複合材料の成形加工に関する研究会」(2016年~)
主査:小林 訓史(東京都立大学)
本研究会はFRPをはじめとした高分子基複合材料の成形と特性の関係について,失敗例を含めたデータベースの構築を通して,本材料をいかに社会実装していくかを検討してきました.本研究会は昨年度で10周年を迎え,これまでのワークショップにおける議論を通じて,本材料への理解を深めてきました.
これまで,ラウンドロビン試験により樹脂含浸のしやすさを表す浸透係数の測定法について検討してきましたが,最近では,一方向炭素繊維強化熱可塑性プラスチックプリフォームの多様な活用に関する取り組みや,連続炭素繊維強化プラスチック積層造形用3Dプリンターおよびプリフォームの開発・活用についても進めています.
また,高分子基複合材料に限らず,粉末射出成形,バインダジェット積層造形,液槽光重合型積層造形など,高分子材料を用いた成形加工・評価に関する多様な講演を通して,産学の交流を深めています.
昨年度は,基本的に対面(一部オンライン)で4回のワークショップを開催しました.
• 第31回ワークショップ(2025年3月10日,京都工芸繊維大学 松ケ崎キャンパス)
• 第32回ワークショップ(2025年6月7日,東京都立大学 日野キャンパス)
• 第33回ワークショップ(2025年8月18日,東北大学流体科学研究所)
• 第34回ワークショップ(2025年12月13日,カジファクトリーパーク)
各回の内容については,以下よりご確認いただけます.
https://composite.fpark.tmu.ac.jp/web_MP/index.html
本年も4回程度のワークショップの開催に加え,第33回機械材料・材料加工技術講演会(M&P2026)にて「MPC-2:高分子材料を用いた成形加工」のOSを企画しております.
上述の通り,現在は希望する研究機関に対して一方向炭素繊維強化熱可塑性樹脂プリフォームを供給し,さまざまな評価を進めているところです.ご協力いただける方は,ぜひご一報ください.
次回ワークショップは 6月10日に静岡県掛川市の掛川城内にて,対面での開催を予定しております.ご興味をお持ちの方は,小林(koba@tmu.ac.jp)まで随時ご連絡ください.
活動が終了した研究会
「PD(Particle Deposition)プロセス研究会」(2003~2022年)
主査:榊 和彦(信州大学)
「次世代3Dプリンティング研究会」(2013~2022年)
主査:古川 英光(山形大学)
「減災・サステナブル工学研究会」(2016~2021年)
主査:浅沼 博(千葉大学)
