M&P 機械材料・材料加工部門

部門長挨拶

第98期部門長 大津 雅亮 (福井大学)

Chair98.jpg

 ただいま全世界で猛威を振るっている新型コロナウィルス感染症(COVID-19)は,昨年12月に中国の武漢で初の症例が確認され,日本でも今年1月14日に初めて感染者が確認されました.その後しばらくは日本国内では感染者の増加速度は速くありませんでしたが,2月中旬から徐々に増加して,3月には急増して全国の学校が休校,4月になって緊急事態宣言が発出されるなど,いつ終息するのか全く分からない状態が続いています.他の学協会と同様に,日本機械学会も多くの行事が中止や延期となっていて,社会的な活動は著しく低下しています.会員各位におきましては,この感染症に罹患しないようにご自愛ください.

 このような戦後最大ともいわれる非常事態の状況下で,この度日本機械学会機械材料・材料加工部門第98期部門長を拝命いたしました.小林訓史副部門長,櫻井淳平幹事を始め,運営委員,各技術委員の方々,当部門に登録していただいている会員の皆様と,この非常事態を柔軟に乗り切っていきたいと考えておりますので,皆様のご協力を賜りますようお願いいたします.

 2011年に本部門の幹事をさせていただいた時も,東日本大震災が発生して当時の大竹尚登第89期部門長と一緒に緊急タスクフォース組織を設置して,専門家集団として様々な活動を行いました.そのときは被災していない地域の人々が被災地域を支援することができましたが,今回は日本全国のほぼすべての人々が危険にさらされていて,誰が誰を支援できるのか分からず全く状況が異なります.本稿執筆中も日々状況が悪化していて,どのような対応ができるのか全く見えていない状態です.そこで在宅勤務で可能な範囲で,ウィルス感染症の終息後に速やかに活動を再開して復興に貢献できるように準備をすることが,部門運営で最も大切なことと考えています.

 さて,今年度はどのような行事が実施可能かは不透明ですが,9月13日~16日に名古屋大学において年次大会,11月18日~20日に横浜開港記念館でM&P2020が開催される予定です.学術講演会に企業会員の参加が減少していることが問題となっていて,平日開催を希望する企業会員が多いことから,M&P2020も平日開催としました.また学生の発表ばかりでなく専門家の講演を聞いて議論したいたいとの声にこたえて,学生は基本的にポスター発表で,口頭発表は教員や企業会員のみとしていますので,多くの企業会員の参加をお願いいたします.そのほか,会員企業の若手教育に有効な講習会「もう一度学ぶ機械材料学」やさまざまな最新トピックを気軽に聴けるM&Pサロンも実施します.また,新たな部門国際会議については,昨年度から検討を開始していて本年度中に決定できるように進めていきます.また,本部門は今年で創立30周年を迎えます.創立20周年,25周年の時と同様に部門創立30周年記念講演会・懇談会を開催する予定です.

 「ピンチはチャンス」との言葉がある通り,遠隔授業やオンライン会議などは,今まで技術的に可能でしたが,従来のやり方を変えるのを避けて導入が進んでいませんでした.しかし,世界中で余儀なく臨時休校や在宅勤務をせざるを得なくなったため,IT化が遅れている日本においても導入が進められています.まだ活用方法も試行錯誤の段階ですが,次第に上手な活用法が見いだされてきて,やってみれば案外簡単で便利だと分かってきました.オンライン飲み会も行われるようになっています.対面で行うことがベストではありますが,おそらく感染症が終息しても便利なものは利用を止めることはなく,ますます利用されていくと思われます.本部門が企画したiJSME2015では講演会でのwebによる口頭の遠隔発表がありましたし,その後のiJSMEでは遠隔でポスター発表も行われました.また,国際会議でwebによる遠隔発表が取り入れられるものも出てきました.懇親会もオンラインで開催される日が来るかもしれません.このようにオンラインを活用した講演会,セミナー(Webinar:ウェビナーと呼ばれています)などコンセプトは新しくありませんが,十分に受け入れられる環境が整いつつあるため,オンラインを活用した新しい企画を増やしていきたいと考えています.

 最後になりますが,元伊藤忠商事会長の越後正一氏は「逆境の時こそ、先見性と機動力を試すチャンスである」と言っています.感染症拡大の非常事態である今,非常事態の終息後を見据えて,本部門だけでなく社会に貢献できるように,迅速に様々な新しい取り組みに挑戦していきたいと考えていますので,部門登録会員各位のご支援をよろしくお願いいたします.