ご挨拶・開催趣旨
日本機械学会会長からのメッセージ
2020年4月22日
第98期日本機械学会会長
川田 宏之(早稲田大学理工学術院)
日本機械学会における年次大会は学会行事の中で一番の主要な行事です.これまでの年次大会は,関東圏と地方を交互に繰り返して会場を選定して参りましたが,今年は東京オリンピック・パラリンピック2020の開催年に当たる年との巡り合わせから,2019年の秋田大に続いて本年に名古屋大での開催となり,従来とは異なる会場の決定となった経緯があります.
さて,世界ではCOVID-19の猛威に晒され,我が国内でも「緊急事態宣言」が発令されました.国民の生活は戦後最大の危機に直面していると言っても過言ではありません.当然のことながらオリンピックは延期となってしまい,また終息の見えない感染症の脅威から経済活動は極端な制限を余儀なくされております.このような異常事態の中,実行委員会の先生方には多大なご苦労を強いての開催となることは容易に想像できます.
今回は,実行委員会の皆様の献身的なご尽力もあって,先端的かつ実験的な試みとして機械学会の年次大会史上初めてとなる一般講演は全てWebにて開催する準備を進めて頂いております.一方で,一部行事の現地開催の準備も進めておりますが,参加される会員や運営に携わる学生アルバイトの安全を第一に,今後の情勢を睨みつつ開催可否を最終判断することになると思われます.その際は速やかにお知らせする考えです.
学会理事会も新しい年次大会の運営を支援し,会員の皆様が安全に参加でき有意義な研究発表の場となることを目指して最大限の協力をして参りたいと思います.
大会委員長からのメッセージ
大会委員長 江口 勝彦(アイシン精機)
30年ぶりの名古屋大学での年次大会は,まさに歴史に残る年次大会となるでしょう.昨年には想像すら困難であったパンデミックが,スペイン風邪以来,100年ぶりの猛威を振るっております.年次大会への参加を検討されている会員の皆様,関係各位には多大なご心配,ご迷惑をおかけしていることをお詫び申し上げます.
年次大会の開催については、中国武漢閉鎖以来,日本機械学会本部と,年次大会企画 WG,そして大会委員会,実行委員会で正に喧々諤々の議論を交わした結果,2020年度年次大会は,予定通りの日程で開催することとしました.しかしながら,参加者の安全確保と,会員の発表機会維持の両立を考慮し,一般講演は全て Web 講演とし,特別講演,本部企画等も Web での参加を基本として開催いたします.ただ,全ての企画を Web のみでの開催としますと,現地開催ならではの年次大会の機能,すなわち安全な社会的距離を保ちながらも対面での意見交換や,生の声を直接聞く大切さ等が失われることも懸念しております.
そこで,参加者の安全を守れる確信の持てるギリギリまで,状況の変化を見極めたいと存じます.講演者,実行委員各位には大変なご苦労をおかけしますが,一般講演以外の特別講演等一部行事については,Web 開催に加えて,現地での参加も可能なように準備を並行して進め,開催1ヶ月前を目処に,その開催の可否を決定し,ご報告したいと存じます.
もちろん,あと半年足らずで,感染のリスクがほぼゼロになるとは考えにくく,一方で,もはや我々はこの感染症と共存する道を探るしかないとも存じます.そこで,考えられうるすべての安全対策を講じ,最低でも緊急事態宣言が解除されるなどの社会的状況が許せば,リスクをご理解頂いた上で,ぜひとも Web でのサイバー空間のみならず,リアルな名古屋の地にお越し頂ければと存じます.また,そのような日が本年9月までに訪れることを心から祈念いたします.
大会委員長からの挨拶
一般社団法人 日本機械学会 2020年度年次大会
大会委員長 江口 勝彦(アイシン精機)
会期:2020年9月13日(日)~ 16日(水)
会場:名古屋大学 東山キャンパス
キャッチフレーズ:『人・モノ・未来をつなぐ機械工学』
大会テーマ:「Society5.0を支えるイノベーション」,「人・生物・機械の持続的調和社会の実現」,「超少子高齢社会を豊かにする次世代技術」
2020年度日本機械学会年次大会は,2020年9月13日(日)から16日(水)まで,名古屋大学で開催されます.本来,関東地区で開催される順番でしたが,東京五輪と重なるため名古屋で開催されることになりました.この地での開催は,2010年の名古屋工業大学での開催以来10年ぶり,また名古屋大学開催では実に30年ぶりとなります.
30年前から遡ってみますとバブル経済崩壊,20年前のITバブル崩壊等による景気の悪化を経験し,その後のさまざまな社会システムや世界情勢の変化にさらされてきました.日本機械学会も会員減少とグローバル化という時代の波に翻弄されながら,時代に対応して変わろうとしております.学会最大のイベントである年次大会も2019年秋田大会より会員が魅力を実感できる大会とすべく,さまざまな試みがなされて来ました.2020年の名古屋大会では,その変化をより確固たるものとし,真に会員皆様のお役に立ち,機械工学の最新情報を発信できる大会となるように目指して参ります.
ここ名古屋の地は,古くは,戦国時代終盤に活躍した三英傑が集った地であり,また更に遡ると神代の世代から受け継がれてきた三種の神器の一つである天叢雲剣が熱田神宮に祀られている地でもあります.そして現在は,日本を代表する自動車産業、航空機産業等のものづくりの集積地として,日本経済を支えています.
この名古屋の特徴を活かすべく,本大会は,日本機械学会東海支部と地元企業の全面的な協力を得て開催準備を進め,東海支部独自の企画行事も実施する予定です.大会委員,実行委員をはじめとする関係者の総力を結集し,東京五輪に負けない印象を残す大会とすべく鋭意準備をしております.是非とも2020年度年次大会への皆様のお越しを心よりお待ちしております.